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2024年4月21日(日)

そのまま食べて損していた… 京都府立医科大学附属病院 山本 裕之

 

 数年前から自宅で梅干を漬けている。出来上がった梅干しはうどんや粥に入れ、そのまま食べていた。

 なにげなくTVを見ていたら、梅干しを焼いて食べることで梅の効果が増すとの話であった。

 

梅干しの働きには

① カルシウムの吸収などを促進する

② 殺菌効果による食中毒の予防や、腸内細菌を活発にする

③ 食欲増進・疲労回復

④ 動脈硬化予防

 

 などさまざまであり、医者いらずともいわれていたとか。

 

 

 番組の途中で「ムメフラール」という聞き慣れないエキスの話があり、梅の果汁を長時間煮詰めることでクエン酸とフルフラールなる糖がエステル結合し「ムメフラール」になるとのことであった。梅干しそのものには存在せず加熱してできる成分であり、そのまま食していた私には動脈硬化の予防効果が十分に得られていなかったようだ

 

焼き梅干しのレシピは、

① アルミホイルでふわっと包んで5~10分加熱する

② 電子レンジで2~3分加熱

③ フライパンで弱火10分程度じっくり焼く

 

 など様々あるようだが、梅干し自体の塩濃度が高いためアルミホイルを用いるより、フライパンで直接焼いた方が良いのではないかと思う。

 

 検査技師という職業は、梅干しの作成に向いていると聞いたことがある。
保存容器の滅菌操作、梅干しに加える塩の計量、梅酢につかるまでカビなどが繁殖していないかの確認など、手塩にかけて梅干しを作る作業は日々の日常を忘れて没頭できる。
 ぜひ、今年は焼き梅干しですべての効果を無駄なく食べてみませんか?

 

※ 紀州田辺うめ復興協議会 
梅の効用 – 紀州田辺うめ振興協議会 (tanabe-ume.jp)