私の勤務する京大病院は、最寄が神宮丸太町駅なのですが、朝晩の通勤時には祇園四条駅と職場までの間往復約4 kmを歩いています。きっかけは、血液検査(特に生化学)データが暴れており、腹部エコーでも肝臓がやや白いということから、運動ほぼゼロの毎日に危機感を覚えたことです。
祇園四条駅から京大病院まではほぼ川端通りを歩くことになるのですが、あえて車道の横を歩くのではなく、千年の都と京文化を育んできた鴨川沿いの岸を歩きます。健康のために始めたウォーキングではありますが、信号機に邪魔をされることもなく、朝はその日にやるべきことの頭の整理、また夜は仕事で火照った頭のクーリングダウンと、身体の健康以上の良さも感じています。
そんな日々の鴨川散歩では、京都の四季を感じます。近年の夏は灼熱で、職場に着くころにはヘトヘトで汗だくになっておりますので、帰り用のシャツが必要なこともあります。時には厳冬で雪が降り積もりますが、誰にも踏まれていない白銀の積雪は美しいものです。丸太町通りあたりと四条通りあたりでは、緯度がそんなに変わるわけではないのに雪の深さに差があることも分かります。
四季を感じるとともに、都会にいながらにして少しだけ自然に触れ、生き物に出会うこともあります。
また、自然の驚異を目の当たりにすることもあります。大雨の時は、鴨川の名物光景であるカップルが等間隔に座っている段にまで、水が氾濫してきます。もう少し増水したら、京大と京都府立医大は壊滅的か、と恐ろしい想像がよぎります。こういう時は、川岸に入れないように柵が置かれている場合もありますが、川岸に降りてきてから水の勢いがただごとではないと気付くこともあります。そういう時は無理せず、すぐに歩道に上がって来なければなりません。
時には、Augmented Reality(AR)技術を用いた、スマートフォンゲーム「Minecraft Earth」で、ブロックで作った建造物を川辺に置いてみたり、といった軽いお遊びもしていました。
そして副産物ではありますが、歩数によってドコモポイントが貯まるという特典もあります。
いま、医療の進歩も目覚ましいのですが、医療を支える情報システムについても、医療に特化したメーカーが販売するものだけではなく、メールやクラウドといった一般的な職場でも使われているようなものも当たり前のように使われるようになっています。便利になった反面、情報の流れが速すぎてついて行けないこともあります。パソコンのディスプレイから離れて思索する時間もあってこそ、次の良い仕事につながるのではと思います。
金曜の晩に、東華菜館の建物が見えてくると、「今週もやっと一週間終わった」という気持ちになります。その一週間が充実したものだったかどうかはともかく。。