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2025年2月22日(土)

受け継がれる 京都大学医学部附属病院 岡崎一幸

 我が家は、私、妻、娘の3人家族。今年、娘は二十歳を迎えます。年末の娘の話題は専ら自分の成人式の時に着る衣装の話でした。今どきの成人式用の着物はどれも可愛くて色鮮やか。早く決めないとお目当ての物が無くなる、着付けの予約が取りづらいなど、考えることがたくさんでした。ある日、いつもの如く着物のカタログに目移りしている娘を横目に黙り込んでる妻がいました。

 

 実は以前、娘には自分が成人式の時に着た振袖を着て欲しいという想いがあることを聞いていました。けれども昔の着物だし、カタログの中の着物のような可愛い柄でもない。装飾も極々シンプルなデザインだしと気になって言い出せなくなってしまったようです。

 

 そこで、私から「ママが成人式で着てた振袖があるんだけど、それ着てみない?」と提案したところ即答で「いいよ」との返事。正直こちらが拍子抜けしたくらいあっさり受け入れてくれた娘に感謝しかありません。今では着物屋さんも母親から受け継いだ着物をカスタマイズし今どきにアレンジするサービスが充実しています。今回はそれを取り入れることになり妻の希望、娘の希望が叶う形に落ち着きました。

 
 妻の実家(長崎)から着物を取り寄せ衣装ケースを開封すると、20年以上も前の代物にも関わらずカタログに一歩も引けを取らない鮮やかな真紅の振袖が現れました。自分も写真では見せてもらっていましたが実物は初めて。この着物が母親から娘へ受け継がれていくのかと思うととても心が温かくなりました。1年後が今から待ち遠しいです。そしてもう一つ。妻の母は看護師、妻も看護師、そして、今、娘は看護学生。我が家では「着物」と「看護師への道」がしっかりと娘へ受け継がれました。

 

(小学校卒業式の帰り道)